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「俺たちが稼いだカネで生きていくんでしょ」 現場やOBに聞いた東芝の“混迷”(dot.(ドット))

最近報道された各種報道の中からリストラ関連NEWSをピックアップしています。

●会計をチェックする監査法人のお墨付きを得られないまま異例の決算発表を行うなど正に「経営再建崖っぷち」状態の東芝関係者や社員たちの生の声をレポートした報道です。東芝と同様に経営再建状態に陥ったシャープなどでも当時報道されていましたが、日々の会社に関する報道やまた報酬カット・転籍などが行われ戸惑いや不安を抱えながらも、自身の身の振り方をどのように行うのか(在籍か?転職か?希望退職が実施されれば応じるのか?など)考え抜いている社員の苦悩が読み取れます。

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 沈まぬはずの“電機の巨艦”が1兆円超の巨額損失の渦に飲み込まれようとしている。原因は原発事業の失敗だ。成長期や昭和のニッポンを力強く牽引し、明日は今日より豊かな生活をもたらした名門企業で、一体何が起こったのか。そのとき社員や関係者は何を見て、どう感じたのか。そして何が元凶だったのか。AERA 2017年4月17日号では「苦境の東芝」を大特集。

ボーナスは3分の1に。年収は100万円近く下がった。不安が募った――。関係者が証言する東芝の“混迷”とは。

●「いまや社名がデメリット」(関連会社現役社員/女性 40代)

東芝から転籍した社員も多いが、東芝の話題は社内で全く出ない。仕事量や給与に変化はないが、以前は堂々と言えた社名が、今はデメリットにもなる。親会社を懸念してか、取引先のアジア企業の信用調査に引っかかるようになり、支払い条件が厳しくなった。

●「年収450万から370万に」(四日市事業所 製造現場の現役社員/男性 40代)

今年に入って半導体部門の売却は世間で噂になっていました。先日、会社から、9千人規模で東芝メモリへの労働契約承継法の説明がありました。1人あたりたった15分です。現在の福利厚生や給与水準は保証されるが、異議申し立てはできないと言われました。東芝の労働組合は立場が弱く、闘おうにも時間もなかった。

同僚には楽天的な人もいますが、私は不安です。東芝メモリが倒産しない保証はない。不正会計があってから、一番儲かっている部門なのに、50万~70万円あったボーナスは26万に、年収は450万円から370万円に減りました。私は単身ですが両親を看ています。せめて定年まで東芝在籍出向にして、従業員の生活を守ってほしい。

●「俺たちが稼いだカネで生きていくんでしょ」(青梅事業所 元社員/男性 2016年退社)

東芝で一生働くと思っていたから、数年前に青梅工場の近くに、新築戸建てを買いました。青梅事業所閉鎖が決まり、配られた数百件の異動先リストを元に東芝グループ内で移籍先を探しました。家のローンもあるし、子どももいるので、給与体系も変わらず、役職も引き継がれ、仕事の内容以外は変わらない東芝本体が希望でした。

年明けから面接で青梅工場だけでなく、浜松町や川崎まで出向きました。電力部門の面接で、電話帳2冊分もある火力発電所の英語の契約書を目の前に放り投げられ、部長から「君たち読める?」「甘っちょろいビジネスじゃないんだ」「今後は原子炉が軸。俺たちが稼いだカネで生きていくんでしょ」と言われました。不正会計を出したPC事業への怒りもあったと思います。

転職し、現在は他社で働いています。以前は20分程の通勤でしたが、いまは電車で約1時間。子どもを保育園に迎えに行けなくなりました。役職もヒラから出直しで、給与は以前の8割くらいです。

●「リスクこそ情報開示を」(現役社員/男性 50代)

東芝凋落の原因は、情報をオープンにしてこなかったことにある。原子力事業も液化天然ガス(LNG)販売事業も、数年後にリスクになりかねないなら、情報開示をしていくべきでした。原発も、リスクを認識して早く判断すればこうはならなかった。手広く事業をやりすぎたのでは。

<コストの削減で雇い止め>
コスト削減のための請負業者の見直しがあり、2016年3月末で雇い止めに。新たな請負先も紹介されましたが、以前より300円安い時給1200円。これまでも約2万円の交通費を浮かすため、川崎から約1時間かけて自転車で通うギリギリの生活。ほかの仕事を探すしかないです。(府中事業所 請負会社アルバイト/アルカムフォー・ロバートさん 46)

●「設備が古く不具合多い」

リーマン・ショック時のリストラから、就労環境はどんどん不安定になっています。品質が心配です。工場の設備が古く、不具合が多い。請負は東芝に直してほしいし、東芝は設備をレンタルしている立場だからと、お互いが責任をなすりつけ、修理や交換ができていない。年度末はいつも暇なんですが、今年は東芝の状況が状況なので、みんな不安になっています。(府中事業所 下請け会社契約社員/男性 40代)

●「現状維持なら社に残る」(社会インフラ担当の現役幹部/男性 40代 海外)

会社の規模が大きく、社内カンパニーがいくつかあり、別の部署のことはほとんどわからない。一連の騒動は寝耳に水で、報道で知りました。情報は報道が圧倒的に早く、会社は社内メールで周知に努めているようですが、金融機関から漏れている節もあり、どうしようもない。

若い優秀な人材から動いています。私は現在の仕事に満足しているので、給与が支払われる限り、このまま勤めるつもりです。売却されるなら、そこで頑張ればいい。40代の市場価値をシビアに認識し、専門性の問われる海外でスペシャリストとして実績をあげた自信もあるが、家族も子どももいるので、環境が変わるのは避けたいのです。

●「記名式でアンケート」(営業 現役社員/男性 40代)

室町(正志)社長就任後の夏、全社員を対象に不適切会計についてアンケートがあったが、記名式で、不満分子を発見するためだけのものに見えた。生まれ変わろうとする意志が感じられない。ドル箱の事業も売却したし、10年後はないかもしれない。次に会社が希望退職を募れば、考えるつもり。

不適切会計後、ボーナスや手当のカットが続いている。昨年、年収は930万円から860万円に落ちた。ボーナスも4カ月分から2カ月分になった。

※AERA 2017年4月17日号

(dot.(ドット))

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