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早期退職、こんな考えで決断しては危険

【早期退職、こんな考えで決断しては危険】

不幸な早期退職決断

早期退職によって不幸になる人の共通項は、安易に離職を決断してしまっていることだ。

まず「会社に残っていても給料が減る」といるだけで退職に踏み切る人は考えが深いと言えない。賃金カーブのピーク引下げやポスト減少の流れで今後、待遇が悪化する可能性のある中高年は多いが、第二の人生を歩めばもっと収入が減るリスクが高い。

「こんな会社にいてもろくなことがない」と会社を辞める人は。典型的な思考停止状態。早期退職後の明確な目標もなく、現実逃避するために早期退職を決めている恐れがある。いわゆる”見栄開業“で失敗する人の大半はこのタイプだ。

「倒産したら元も子もない」と会社を去る人は、自社のリストラが守りのためか攻めのためか確認する必要がある。攻めのリストラの場合は、倒産どころか業績を急回復させるケースも多く、後に離職を後悔する事態に陥りかねない。
(※守りのリストラ…業績不振の会社が経営再建のために行うリストラ)
(※攻めのリストラ…事業が好調でも生き残りのため黒字のうちに人員削減などを積極的に行うリストラ)

「持ち家だから気楽だ」と考えている事は見通しが甘い。住宅ローンは確かに早期退職の大きな重荷になるが、完済していれば有利というわけではない。固定資産税や修繕費の負担はそれなりに重く、大型補修では100万円以上の費用が発生することもある。

最後に「挑戦するなら若い方がいい」という考えだけで、夢を追うのは現状認識ができていない恐れがある。そもそも40~50代は「若い方」ではない。転職、起業とも会社員時代以上の体力・気力が必要な事はいうまでもないだろう。

いずれにしても早期退職の人生を充実させるためには、入念な計画と自己分析が欠かせない。

(日経ビジネス2012.6.18号より抜粋・編集)

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